たんぱく質の
疲労改善効果について
たんぱく質は五大栄養素のひとつで、筋肉はもちろん、骨や臓器、血液、各種酵素等を作る上で、人間にとって不可欠の栄養素です。
しかし、厚生労働省の国民健康・栄養調査によると最近日本人のたんぱく質摂取量は戦後間もない頃と同程度のレベルにまで低下しており、慢性的なたんぱく質不足による健康への影響が懸念されています。また、たんぱく質は1日の食事の中で均等に摂取することが望ましいとされていますが、日本人の食生活に関する調査では朝食時の不足が顕著であることが報告されています。1)
シャルレでは、朝食時に混合たんぱく質及びたんぱく質の吸収を高める有胞子性乳酸菌(GanedenBC30)2)を補給することにより、日常の疲労感や持久力に与える効果について独自に検証を行いました。
朝食時のたんぱく質および
有胞子性乳酸菌摂取で
期待できる効果
試験実施方法(全試験共通)
-
試験食品
ホエイ・カゼイン・大豆混合たんぱく質、有胞子性乳酸菌(GanedenBC30)含有粉末食品(対照食品は、たんぱく質、有胞子性乳酸菌を含まない粉末食品)
-
摂取量
たんぱく質量として5.1g
-
被験者
日常的に疲労感がある40歳以上70歳未満の日本人女性30名
(最終測定時:試験食品群12名、対照食品群14名) -
試験期間
8週間(2020.3~4)
-
飲用方法
1日1回、朝食時に水に溶かして摂取
-
試験機関
株式会社ヒューマR&D
効果①
日常の疲労感の
改善効果について
朝食時に混合たんぱく質
および有胞子性乳酸菌を含む
食品を摂取することで、
日常の疲労感が改善しました。
下のグラフ(図1)は疲労感についての体感をVAS試験で調べた結果です。VASスコアは大きくなるほど、疲労感がない状態を表しています。
VASスコア/0:何もできないほど疲れ切った最悪の感覚 ⇔ 100:疲れを全く感じない最良の感覚
たんぱく質や有胞子性乳酸菌を含む試験食品を継続的に摂取することで日常の疲労感が改善することが確認できました。一方、対照食品を摂取した群では変化はありませんでした。
図1 疲労感(体感)の変化
効果②
持久力の向上効果について
朝食時に混合たんぱく質
および有胞子性乳酸菌を含む
食品を摂取することで、
持久力が向上しました。
下のグラフ(図2)は試験食品、または対照食品を摂取する前後で、3分間の歩行距離がどのように変化したかを調べた結果です。試験では10m間隔で2本のポールを置き、できるだけ早く歩きながらポールを回って折り返す運動(スタミナ・シャトルウォーク)を3分間行い、その距離を測定しています。
より長い距離を歩いた方が、持久力が高いと判断できます。
試験食品を摂取した群で3分間に歩ける距離が長くなる傾向が確認できましたが、対照食品ではその傾向は認められませんでした。
このことから、たんぱく質や有胞子性乳酸菌を含む試験食品を継続的に摂取することで、持久力が高まる可能性が示唆されました。
図2 3分間歩行テストでの
歩行距離の変化
効果③
運動後の疲労感の
改善効果について
朝食時に混合たんぱく質
および有胞子性乳酸菌を含む
食品を摂取することで、
運動後の疲労に関する体感を
改善することが
確認できました。
下のグラフ(図3)は2で実施した3分間のスタミナ・シャトルウォーク後の、「疲労感」「足の筋肉の疲れ」「身体のだるさ」の体感を調べた結果です。試験食品または対照食品を摂取する前に実施した同様の試験結果を基準として、各食品を8週間摂取したときの結果について比較を行いました。
VASスコアは良い状態であるほど数字が大きくなるため、摂取時と比較した数字がプラス方向に変化しているほど改善、マイナス方向に変化しているほど悪化している結果になります。
試験食品を摂取した群では、摂取前と比較して、「疲労感」「足の筋肉の疲れ」「身体のだるさ」のすべての項目で改善していました。一方対照食品摂取群では、変化はほとんど認められませんでした。
図3 運動後の体感の変化
(摂取前と8週摂取後の比較)
効果②③の結果を合わせて考えると、朝食時にたんぱく質および有胞子性乳酸菌を摂取することで、運動時の疲労感や筋肉の疲れを軽減し、その結果持久力も向上する可能性が示唆されました。
参考文献
1)Geriatr Gerontol Int 2018; 18: 723-731
2)FOOD Style 21 2017年3月号