食事
いつもの食事に取り入れるだけ! オイルの使い分けで、美容&健康パワーを底上げ!
ここ数年巻き起こっているオイルブームで、ダイエットや美容のためにオイルにこだわる人が急増中! でも、選ぶオイルや使い方によっては、体への負担になってしまうこともあるのだとか。
そこで、油のコンシェルジュ・青木絵麻さんが、健康で美しくなるための賢いオイル選び&使い方をアドバイス。オイルと上手に付き合って、毎日の食生活をワンランクアップしませんか?
◎オイル=悪ではなく、身体に必要な大事なもの
オイルの摂り過ぎは太る、身体に良くない…といわれますが、オイルそのものは細胞膜を作る、生体調整を行うなど身体にとっては不可欠なもの。だからこそ、摂取するオイルの種類や方法を正しく知ることが重要です。
<オイルに含まれる脂肪酸とは?>
私たちが普段使っているオイルには、すべて脂肪酸が含まれていて、飽和脂肪酸が多いものと不飽和脂肪酸の多いものの2つに分かれます。
飽和脂肪酸が多いのは常温で固形のもので、バターやラード、ココナッツ油など。一方、不飽和脂肪酸が多いのは常温で液状の、オリーブオイルやキャノーラ油などの植物性の油や、魚油などです。
<毎日の健康にかかせない必須脂肪酸>
さらに、不飽和脂肪酸には「オメガ脂肪酸」が含まれていて、メインは「オメガ9」「オメガ6」「オメガ3」の3つなどに分類されます。
【オメガ脂肪酸の種類】
・オメガ9(オレイン酸)…オリーブ油・なたね油・アーモンド油・椿油など
・オメガ6(リノール酸)…大豆油、ごま油、グレープシード油など
・オメガ3(α−リノレン酸・DHA・EPA)
…えごま油、亜麻仁(あまに)油、インカインチオイル、チアシードオイルなど
飽和脂肪酸やオメガ9は体内でも作られるので、たくさん摂る必要はありません。一方、体内では作られないため意識して摂る必要があるのが「必須脂肪酸」といわれるオメガ6・オメガ3です。これらは健康を維持するために大切な脂肪酸です。しかし現代の食生活では、オメガ3よりもオメガ6を多く摂り過ぎているといわれているので、オメガ6を控えめにする、もしくはオメガ3を多めに摂取するなど、バランス良く摂ることを意識しておきましょう。
【オメガ3とオメガ6の摂取基準の目安】(女性)
・オメガ3:18~49歳は1.6g/日、50~69歳は2.0 g/日、70歳以上は1.9 g/日(妊婦・授乳婦は1.8g/日)
・オメガ6:18歳以上の女性は8g/日(妊婦・授乳婦は9 g/日)
オメガ3とオメガ6の摂取比率は「1:4(~5)」を目安に。
※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)
また、オイルの使い分けも大切です。酸化しづらいオメガ9は加熱調理に、熱に弱いオメガ3はサラダのドレッシングとして使うなど使い分けると、効率よく栄養素を摂り入れることができます。最近は様々なオイルが手に入るようになったので、気になるオイルを揃えて試してみては?
◎健康&美容を意識して摂り入れたい、今オススメのオイル
- オメガ3を気軽に摂れる! えごま油
しそ科植物のえごまの種子から搾った「えごま油」。生体調整に優先的に使われるので体内に蓄積されにくく毎日補給すべき油です。さらに、脳の活性化に効果があるといわれる成分が豊富に含まれています。加熱に弱いので生のままで摂取しましょう。軽くてサラッとしているので、サプリメント感覚で毎日小さじ1程度を目安に飲むのもオススメです。
<おすすめレシピ>
えごま油を使った「蒸しなすとひき肉のエスニックソース」
えごま油は、風味・クセのないものもあるが、香ばしい風味のものを選べば、エスニック料理にぴったり。エスニックソースは、ヌクマムの代わりにナンプラーまたはしょうゆでも可能(味を調整しながら加えてください)。
<材料>(2人分)
・なす 3本
・豚ひき肉 100g
・酒 大さじ1/2
・みそ 大さじ1/2
・紫タマネギ 1/2個
・パクチー 適量
◇エスニックソース
・えごま油 大さじ2
A ヌクマム 大さじ1
水 大さじ1
酢 大さじ1
砂糖 小さじ2
塩 少々
にんにく(みじん切り) 少々
赤唐辛子(小口切り) 適量
【作り方】
1.なすは洗ってへたを取り、皮をしま目にむく。丸ごと蒸したら、食べやすい大きさに裂く。
2.耐熱容器にひき肉を入れ、酒、みそを加えてよく混ぜる。電子レンジ(600w)で2〜3分加熱して、肉に火が通ったら取り出し、ほぐす。
3.紫タマネギはみじん切りに、パクチーはざく切りにする。
4.ボウルにAを入れてよく混ぜる。砂糖と塩が溶けたら、えごま油を加えて混ぜる。
5.器に(1)→(2)→(3)の順にのせ、最後に(4)を回しかける。
※【からだを活性化させる 魔法の油! 「オメガ3」レシピ (講談社のお料理BOOK) より抜粋】
- ビタミンEが豊富! こめ油
米糠から抽出された「こめ油」は、ビタミンEやオレイン酸(オメガ9)、リノール酸のほか、抗酸化作用のあるオリザノールを多く含み、酸化しづらいので揚げものにオススメです。さらに、生のままでも使える万能オイルです。
<おすすめレシピ>
こめ油を使った「さっくりジューシーチキンカツ」
重くなりがちな揚げ物も、こめ油で揚げることで、さくっと軽い食感になります。余熱でも火が入るので揚げ過ぎに注意!
【材料】(2人分)
・鶏むね肉 2枚
A 酒 大さじ1
水 大さじ1
塩 小さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
・こめ油 適量
・小麦粉・溶き卵・パン粉 各適量
【作り方】
1.鶏むね肉は包丁の先やフォークで数カ所刺し、Aを混ぜたものに10分程度
浸けておく。
2.(1)の水気を拭き、小麦粉、溶き卵、パン粉の順につける。
3.フライパンにこめ油を約2cm入れて火にかける。温まったら(2)を入れ、両面がこんがりするまで揚げ焼きする。
- 美容の油として人気! レッドパーム油
あぶらやしの果肉パームフルーツが原料で、オメガ9(オレイン酸)と飽和脂肪酸が同程度、カロテンとビタミンE、コエンザイムQ10を含んだ、美容面でもオススメの油。スプーン1杯で、1日のカロテンを摂取できるといわれています。香りもクセもほとんどなく、生から加熱まで幅広く使えます。
<おすすめレシピ>
レッドパーム油を使った「デトックスやきめし」
控えめの塩と山椒で味を調え、仕上げに鍋肌からしょうゆを焦がし入れると、風味が出てさらにおいしく。たっぷりの生姜で発汗も促してくれるので、デトックスメニューとしても活用できます。
【材料】(2人分)
・ごはん お茶碗2杯分
・卵 1個
・長ねぎ 1/2本
・生姜(みじん切り) 大さじ1
・ちりめんじゃこ 小さじ2
・しそ 10枚
・一味唐辛子 お好みで
・塩・山椒 各適量
・レッドパーム油 大さじ1.5
【作り方】
1.長ねぎは青い部分までみじん切りに、しそはせん切りにする。
2.ごはんは軽く温め、溶き卵で和える。
3.フライパンにレッドパーム油、ねぎ、生姜を入れ、熱しながらよく炒める。香りが出たら(2)とちりめんじゃこを加え、さらに炒める。
4.塩で味を調え、しそと一味唐辛子を振る。
毎日の食事で使っているオイルやその量を意識するだけでも、自然と健康や美容につながっていくはず。気軽にチャレンジできるので、体が喜ぶオイル生活を始めましょう!
青木絵麻(あおき えま)
油のコンシェルジュ
明治3年草創、東京・浅草橋の「金田油店」店長。2004年にネットショップを立ち上げ、世界中の油を販売。そのかたわら、油のコンシェルジュとして、セミナー、テイスティング会などで油の使い方や選び方を広く伝える活動も行い、雑誌やTVなどで活躍。2014年6月イタリア政府公認ONAOOオリーブオイルテイスティング適性能力認定証明書取得。
油を使った料理ブログ「油屋ごはん」のレシピ本、『からだを活性化させる魔法の油! 「オメガ3」レシピ』(講談社)を出版。