食事
膝の痛みが気になったときに摂りたい栄養素4選
お出かけが増えると「ちょっとした階段の昇り降りで膝が痛む…」なんて経験はありませんか?
膝が痛むときは、お医者様へ相談することが大切ですが、普段の生活習慣や食事にも気をつけたいところです。膝痛改善にはマッサージやストレッチに目がいくことが多いですが、今回は食事からの膝痛予防を考えてみましょう。
膝痛って、なぜ起きるの?
「関節」とは、骨同士がつながっている部分のこと。硬い骨と骨とが接している関節が、滑らかに動く理由にはある秘密があります。
その秘密とは、ご存知、骨の先端の「軟骨」。軟骨がクッションの役割をしてくれているおかげで、骨同士が直接こすれ合うのを防いでいるのです。軟骨のおかげで、私たちは歩いたり、膝を曲げたりすることができます。
しかし、加齢に伴い、この軟骨は徐々にすり減っていきます。そうなると、骨と骨が直接こすれ合うようになり、関節に痛みが生じるようになります。
痛みはできれば感じたくないし、少しでも軽減させたいものですよね。
実は、軟骨の減少によって起こる膝痛予防効果が期待できる栄養素があるのです。膝痛時あるいは膝痛予防のために摂りたい栄養素を、管理栄養士である私がお教えしますね。
管理栄養士がオススメする膝痛のときや予防のために摂りたい栄養素とは
グルコサミン
グルコサミンは、軟骨生成のために最も必要な成分のひとつ。軟骨組織や結合組織の成分として、軟骨の修復や再生のサポートや、強化に役立ちます。
含まれる食材:エビやカニなどの甲殻類の殻に含まれます。
コンドロイチン
コンドロイチンは、軟骨に含まれている成分です。水分を維持して、柔軟性と弾力性を軟骨に与える働きが期待できます。
含まれる食材:山芋、なめこ、納豆、オクラなどのネバネバした食品や、鶏、牛や豚の軟骨にも含まれます。
ちなみに、グルコサミンと一緒にコンドロイチンを摂ると、「軟骨の機能維持」と「痛み軽減」の相乗効果が得られるといわれていますよ。
ビタミンB群
ビタミンB群は8種類あります。そのなかでも、末端神経の修復を助けるビタミンB12と、ビタミンB1、B6を一緒に摂ることがおすすめです。これらを合わせて摂ることで、神経痛の予防に役立ちます。
含まれる食材:あさり、肉類、レバー、穀類の胚芽、魚類などに含まれます。
カルシウム
骨の材料になる「カルシウム」が不足すると、骨がもろくなり、骨折や変形もしやすくなってしまいます。膝痛を予防するためにも、基盤となる骨を丈夫にしておくことは重要です。
含まれる食材:牛乳・チーズなどの乳製品や、煮干しなどの小魚に含まれます。
これらの成分を一度の食事に摂れるおすすめの料理は、鍋料理です。オススメはカニや鮭を使った北海道の郷土料理・石狩鍋。まだまだ肌寒い夕飯にいかがでしょうか?
石狩鍋には鮭の身や骨が入っているので、骨からコンドロイチンなどの栄養素が摂れます。カニを入れることでグルコサミンの摂取にもなりますよ。
一般的な石狩鍋は、そこに人参などの緑黄色野菜をたくさん入れて、味噌で味付けをします。しかし、仕上げにカルシウムが豊富な牛乳とチーズを入れて、まろやかでクリーミーな石狩鍋にしてもよいですよ。
鍋は手軽につくれて、多くの栄養素を一気に摂れるので季節を問わずおすすめですよ。
栄養素と一緒に膝痛用グッズでダブルサポート!
スポーツをされる多くの方が使われているサポーター。一時的に痛みを軽減してくれる、便利なアイテムです。これから運動を始めようとする方は、膝痛予防としてサポーターを使用することはおすすめです。
*詳しくはスポーツ店や専門の方にご相談してください。
春・夏の季節になるにつれ、気候が暖かくなって、お友達やご家族と外出の機会も増えますよね。食べ歩きツアーやイチゴ狩りなど…膝の痛みを気にせずに、たまには羽を伸ばして思いっきり楽しみたいですよね。
そのために、毎日得る食事の栄養に気を配って、体の内側からの健康、膝痛予防をしてみてはいかがでしょうか?
参考文献:グルコサミンと変形性膝関節症CHONDROPROTECTIVE ACTION OF GLUCOSAMINE ON KNEE OSTEOARTHRITIS著長岡功
佐藤樹里
アスリートの明日とDREAM(夢)を叶える!アスドリファクトリー代表
水泳インストラクター兼管理栄養士としてキャリアを積んだのち、フィリピン・カナダへ約1年渡航し、現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共に働く。帰国後アスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経て独立。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、忙しいビジネスマンに成果直結のタフなカラダづくりを約束する栄養個別サポートを行う。